ヒナコ學長のおはなし

仮想的善良性教育機関

知能指数

 

気になる子がいた。

 

 

授業中に

微動だにせず板書を見つめているかと思えば、

頭部だけ窓の方に向けてじっと外を見ている

注意を向けさせるのに質問してみるとちゃんと答えるので

あながち人の話を聞いていないわけでもない

 

周りの子らとも普通に交流しているようなので

特に心配もしていなかった

 

ある日に注目すべきことがあったので

あらためて休み時間にそっと見守ってみた

たまたま一人でいていたので近づいてみると

表情はあるが顔色はなく、袖口から見える手首は細かった

背丈は標準にあるから細肉中背といったところか

 

「今朝は何を食べてきたの?」

  「ジュースを飲んだ」

「何のジュース?」

  「・・・・・おしょゆうジュース」

「(?)どんなジュースなの?」

  「お水にね、おしょうゆポトンってするの」

「(!)自分で作ったの?」

  「ううん、おかあちゃんがつくってくれるの」

 

色味のない顔に本当に嬉しそうに満面の笑みを浮かべられると

私は思わず天を仰いだ

 

 

カミサマ、

この子に二物はいりませんが、どうぞ食物をお与えください

この子はすでに天から一物を与えられております

どうかその才能を発揮できるように

この子にもその家族にもご加護をお願いいたします

 

 

この子のIQは 128 なんです。

 

 

 

 

子供の残酷さ

 

残酷さとは、無慈悲でむごたらしいことだ。

 

さっきからペロペロキャンディーをなめてて思い出した。

 

 

とおいとおい昔、

ペコちゃんのポップキャンディーをなめながら川沿いの土手を歩いていた。

雑草の足元に砂利と虫たちがあった。

 

こんなにおいしいアメちゃんだよ。

きっとアリさんたちもよろこぶよ。

 

小さな私は舐めかけの棒付き飴を地面に置いた。

 

次から次へと光る飴に登り来た蟻々は、

飴に登ると次々に動かなくなった。

 

しゃがんで見ていた小さな私には、

何やらはじめて感じる気持ちがあったはずだ。

 

 

この行為は無慈悲だったのか?

 

蟻にとって残酷なことには変わりはないが。

 

 

 

 

教師の時給

 

授業準備をしていた頃、

やってもやっても終わらなかった

 

時給にしたら150円くらいだったのではなかろうか

 

それでも、

準備した分だけ教室の空気が応えてくれる

 

 

教育で生活させてもらっている身ではあるが、

それでも、

 

 

教育に「儲ける」という語彙は使いたくない

 

 

 

 

子育て

 

知り合いの若夫婦に子供が産まれた。

 

彼らは赤ちゃんが生まれたと言っていた。

 

赤子が少し大きくなってきたらしい今日、悩み相談を受けた。

 

これからどうやって遊んであげたらええんですかねぇ?

 

 

えええええーーーーーっつ???

 

そんなことで悩むんですかいねぇ?

 

 

初々しいなぁ。

 

 

過剰に構うことなく一緒に居れば良いんです。

 

子供から来た時だけは拒否するべからず。

 

 

 

 

 

 

決定権

 

小さな小さな陵の近くに住んでいる仲よしがいる。

 

さっきそこを通ったら、あやつは陵の敷地内で歩いておった。

地面の玉砂利の匂いをかぐために歩みを止め、そしてしゃがんだ。

 

おいおい、イカンだろ、そこは「りょう」であり「みささぎ」だ。

 

 

・・・・・そうだな、君には関係ないわな。

 

 

そこを立入禁止と決めたのはわれわれ人間だからな。

 

君も鴉も入りたければ入るんだものな。

 

 

 

猫自身の行動の決定権は猫自身にある。

 

 

子供自身の行動の決定権も本人のみにある。

 

道と場所だけはやさしく導きたいものだ。

 

 

 

 

 

言語の自由さ

 

かつての教え子からSNSで連絡があった。

アジアの国に帰って十数年になっている。

 

 

   先生、お元気ですか。

   缶詰とジャムの贈物は揃いましたので

   配送しようと郵便局に行ったら、

   配送費がものすごく高いです。

   日本円で35000円みたいな物価です。

   本当にすみません、テンションを上げた後、

   そのままテンションを撃ち落とすとは。

 

 

日本語の言い回しではないが、十分に気持ちが通じる立派な文章である。

 

知っている語彙を駆使して繋げる文章。

使用法に完璧さはなくとも、表現は自由だ。

その自由さに勝る気持ちの伝わり方はあるのだろうか。

 

 

小さかった一年生が未だにこちらに気持ちを向けてくれているだけで、

先生はうれしいです。

 

 

 

 

 

日本語の特徴

 

同僚と語学談義をした。

 

貸します と 貸してあげます の違いをどうやって子供に教えるか。

 

過去形にすれば説明しやすいことに気づいた。

 

傘を貸しました(事実のみ)

傘を貸してあげました(どうぞとありがとうの双方の気持ち入り)

 

ゆえに、貸してあげてもありがとうがなければ貸してあげましたは成立しないな

 

 

 

 

親の味

 

お弁当の時間におかず交換なんてのがあったが、

ほんとはそんなことしたくなかった。

 

うちの味がいちばんおいしかったからだ。

 

 (友だちんちの卵焼きの味のないことったら!)

 

みんななんでそれでいいんだろうって思ってた。

 

 

學長になってわかった。

 

親の味は「安全な味」なのだ。

 

小さいときからずっと食べさせてもらっている味。

生きていくのに一番いい味。

 

味わう愛の味は「安心味」なのだ。

 

だから子供にとって親の味が世界でいちばんおいしいはず。

 

 

 

でもたまごやきには味があったほうがいいな。

 

 

 

 

音楽の時間

 

子供に英語の曲を歌わせるなら、

ぜひこれにしたい。

 

子供の声の高さで張りがあり、

歌詞に意味があり、

歌う空間が作品になる曲だ。

 

I’ll be there      Jackson 5

 

小さかったマイケルの歌声は

いまの子供達にも響くだろう

 

 

 

 

學長の目標

 

學長のお気に入り動画

 

   昼休みによく観てます。(検索推奨)

 

TED  すべての子どもに強い味方を  リタ・ピアソン
TED  Every kid needs a champion   Rita Pierson

 

 

会いに行こうと思ったら、時既に遅しでした。

合掌