ヒナコ學長のおはなし

仮想的善良性教育機関

知能指数

 

気になる子がいた。

 

 

授業中に

微動だにせず板書を見つめているかと思えば、

頭部だけ窓の方に向けてじっと外を見ている

注意を向けさせるのに質問してみるとちゃんと答えるので

あながち人の話を聞いていないわけでもない

 

周りの子らとも普通に交流しているようなので

特に心配もしていなかった

 

ある日に注目すべきことがあったので

あらためて休み時間にそっと見守ってみた

たまたま一人でいていたので近づいてみると

表情はあるが顔色はなく、袖口から見える手首は細かった

背丈は標準にあるから細肉中背といったところか

 

「今朝は何を食べてきたの?」

  「ジュースを飲んだ」

「何のジュース?」

  「・・・・・おしょゆうジュース」

「(?)どんなジュースなの?」

  「お水にね、おしょうゆポトンってするの」

「(!)自分で作ったの?」

  「ううん、おかあちゃんがつくってくれるの」

 

色味のない顔に本当に嬉しそうに満面の笑みを浮かべられると

私は思わず天を仰いだ

 

 

カミサマ、

この子に二物はいりませんが、どうぞ食物をお与えください

この子はすでに天から一物を与えられております

どうかその才能を発揮できるように

この子にもその家族にもご加護をお願いいたします

 

 

この子のIQは 128 なんです。